2011年5月30日月曜日

川の底には



鍵っ子は見た!
家の裏の澄んだ川底に
ぬぼーっとした巨大生物を!

正体を突き止めようと、
30分くらい川面を凝視していたが
すぐに暗がりに姿を隠したそいつは
陸にも上がってこなかったし
まだ暗がりに隠れているのかも
すでにどっかに泳いでいったのかも
何もわからなかった。

鍵っ子は
石を投げ入れる、木の棒でつっつく
の暴挙に出た。

しかし、そいつは出てこない。
チャプチャプ チョロロと
水面がキラキラうごめくばかりであった。



2011年5月15日日曜日

漕いでる


星の浮かぶ、海の中を
右手を前にまわして
左足をうしろに蹴って
左手を右手のマネしてまわして
右足を大胆に蹴りだして
はたから見たら
右へ 左へ
ヨタヨタしながら
前へ漕いでる

いっしょうけんめい漕いで
うんちも浮かべながら
前へ漕いでる

次世代


「見てください。コレ、次世代テレビのシュわっとテレビ!」
しゅわっっ
「おっ なんだぁ?」
「何もない空中に突然テレビ画面が出てくるんです!」
「すげええ、なあ母ちゃん」
「これ、天気予報当たるんですか?」
「え? 天気は…今までどおり…ですよ」
「いらないです」
「えっ? 母ちゃんこれスゲエぜ? しゅわっっだって」
「うちのテレビもしゅわっと画面が消えます」
「消えますって、あれ壊れてんじゃ…ブラウン管だし」
「あれでいいの」
「あれで…いいのか…」
「今日はご紹介に伺っただけですので、今度店頭に遊びにいらしてください」
「行く行く、俺行くぜえ」
「見るだけです」
「次世代ってすげえなあ」
「見るだけです。天気予報もやってますか?」
「はい。いつでも気象庁にアクセスして天気の情報を表示できます」
「今度、天気予報を見にうかがいます」
「はい。お待ちしております」
「次世代っていいなあ」