「構図」の本をご紹介します。
「巨匠に学ぶ 構図の基本」
視覚デザイン研究所 1900円+税
なんだか固そうなタイトルですね。
でも、中身はぜんぜん固くありません。とてもフレンドリーな内容になってます。わかりやすいです。
有名な絵画を題材に、「本来の名画」とその名画にわざとダメな加工を施した「ダメ名画」と見比べながら、構図のことを勉強していけます。どのページにもフクロウさんが出てきて、ほのぼのとした的確なコメントをつぶやいていて、作品の理解を助けてくれます。この絵のどこがイマイチなのか、どこが冴えているのか。読んでいるうちに、なんだか絵画ってものがわかってくる気がします。
でもここでフクロウさんと意見が合わなくてもいいのです。フクロウが「こっちのほうがいいね」と言っても、いいと思わなかったら、フクロウとは趣味が違うんだと思ってください。いくら「基本」といわれても、いいと思えないものを無理に「正解だから…」と理解しようとしなくていいんです。そうやって無理が重なると美術が嫌いになります。みんなが「いい作品だ!」とほめていても『あたいは全然いいと思わない…』という正直な感想を大事にしてほしいです。
では、この本をなぜにオススメするのかといいますと、この本は読んでいるうちに「表現の引き出し」が増えると思ったからです。
自分で作品を作っていると、「何がよくないのかわからないけど、ピンとこない」ということが起きます。この本を読めば、その「どこがよくない」のかがわかってくるかもしれません。残念ながら原因がわからなかったとしても、表現の幅が増えると、作品作りのおもしろさも広がってきそうです。
「構図」が良ければ、どんなにヘンテコな絵でも良く見えるし、
「構図」がイマイチだったら、どんなに上手でもイマイチになってしまう。
そんな影響力を「構図」は秘めていると思います。かく言う私もまだまだ勉強中ですが。よかったら本屋で立ち読みしてみてください…。
2010年2月2日火曜日
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